編集サポート
新聞編集の基礎知識

原稿作りから校正までノウハウ、セオリーをまとめました。ご活用ください。

写真の効果的な使い方

慎重に、そして大胆に扱って…

持ち味を生かして

読みやすい紙面をつくり、写真の主題を一目でわかってもらうためには、いろいろな技法で、写真を生かしてつかう工夫が必要です。与えられた写真を、そのまま紙面に押し込むのでは、せっかく提供されたり取材した写真の持ち味を充分に生かすことはできません。

写真が「目でみるニュース」である以上、記事と同じように編集方針にそって手入れ(トリミング)する必要があります。

次頁の例を参考に、ムダな部分は大胆にカットし、主題を強調して、その効果を最大限に引き出すようにしましょう。

写真を生かすも殺すも、編集者の腕次第といえます。

原稿を選ぶとき

写真製版の良し悪しは、「原稿」の良し悪しによります。露出不足でうすぼけているものや、露出過度でコントラストの強すぎるものは、いずれも不適当です。

ピンボケの写真は、製版・印刷すれば、目もあてられないほどボヤけてしまいます。

印刷されている写真を、そのまま原稿にして製版すると、モアレという不規則な斑点がでますから、さけたいものです。

カラー写真をモノクロ写真として使用しても問題はありません。

トリミングの指定

トリミングの指定

出力したプリントにトリミングしたい大きさを記入し(○cm×○cmなど)、データとともに入稿します。

写真のトリミング指定は、写真原画にトレーシングペーパーをかぶせ、写真に傷がつかないように、やわらかい鉛筆などで、カットする部分を正確に記入し、つくってほしい天地・左右の寸法を「センチ」で記入します。

写真の天地・左右の比例寸法を拡大・縮小する場合、出力紙に対角線をひき、縦(天地)または横(左右)の寸法をきめれば、比例でもう一方の寸法がわかります。拡大する場合は、この対角線を延長させて、同じ要領ではかります。

寸法のはかりから

イラストなどの図版も、写真と同じように自由に拡大・縮小できます。拡大・縮小の比例寸法のだしかたは、写真の場合と同じ要領です。写真と違って、イラストなど図版は形がまちまちですから、寸法をはかるときには、原画のうえにトレーシングペーパーをかぶせて、右の図のように天地・左右とも一番はりだしている部分の大きさを基準にして、写真と同じ要領でおこないます。この場合、原画にキズや汚れがつかないよう細心の注意をはらいましょう。マンガ・さし絵は、天地・左右に若干の余白をとった方が効果があります。

銘柄名・面数・合印を忘れずに記入します。

原稿と同じ寸法でつくってほしいときには「原寸」と記入します。なにも記入しないで提稿しないよう気をつけましょう。

クローズアップ1

クローズアップ2

写真全体の構図から、もっとも主題とみられる部分を大胆にクローズアップして、読者に強く印象づける方法もあります。

クローズアップ1

クローズアップ2

左の原画の2人の切実で真剣な表情を強調するために、この2人に焦点をあててクローズアップしてみたのが、右の写真です。これでいっそう迫力がでてきました。

差し替え画像1

差し替え画像2

労働組合や民主団体の機関紙に多く使われる写真が集会の写真です。屋外の集会や屋内の集会でも天井や空が大きく写されており、そのまま使われている場合があります。左の原画では参加者の左側の道路や空の部分が広いので、この部分をカットして、大勢の参加者の雰囲気をだしてみたのが右の写真です。

手の動きなども大切にして

インタビュー写真

下の二枚の写真は、手の動きや独特のしぐさ、コーヒーやカメラなどの小道具でのムードでひきつけています。このように、インタビュー記事や座談会、対談記事につける写真は、登場人物の持ち味を生かした顔の表情、手の動き、しぐさをとりいれてみたいもの。たんなる顔写真ではなく、こうした動きが読者を強くひきつける要素となります。

インタビュー写真1

インタビュー写真2

紙焼きの場合、大切な写真を赤のサインペンで汚してしまったり、ボールペンなどで書いて、傷をつけて使いものにならなくなった悲惨な経験を持っている方がたくさんいます。写真に傷や汚れがつかないように注意して、慎重に扱いましょう。

画像を入稿するときは

画像を入稿するときは

画像データ(JPEG、PNG等)を入稿し、指定するときには、プリント出力の際、「写真をフレームに合わせる」という項目を必ず外してください。写真の全景が出ず、トリミングのミスの元になります。

画像を入稿するときは

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